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2011.04.26

切迫早産・切迫流産について

切迫早産・切迫流産について

○22週以降37週目未満の切迫早産とは・・・

切迫早産とは、「妊娠22週以降37週未満に下腹痛(10分に1回以上の陣痛)、性器出血、破水などの症状に加えて、外測陣痛計で規則的な子宮収縮があり、内診では、子宮口開大、子宮頸管の展退などが認められ、早産の危険性が高いと考えられる状態」で「早産」が差し迫っている、という状態(日本産科婦人科学会編・産科婦人科用語集・用語解説集より)をいいます。

つまり、切迫早産とは、まだ分娩の時期ではないのに、分娩の時に起こる現象(陣痛のようにお腹が張ったり、出血したり、子宮口が開いたり、破水したり)が起こって出産(早産)となる危険性が高い状態のことをいいます。

○切迫早産の症状

切迫早産は「早産になりそう」な状態、つまり時期は早いけれど出産してしまいそうな状況なわけで、切迫早産の症状としては「出産時の症状」が現れる、と考えればわかりやすいです。
代表的な、切迫早産の症状は以下の通りです。(切迫早産の症状の詳しい説明は次ページを参照してください。

規則的な子宮収縮
(お腹の張り)    
規則的に子宮が収縮することを一般的に「お腹が張る」と言います。出産時はこれが段々強くなって「陣痛」となります。妊娠期間中でもお腹が張ることはありますが、すぐに治まるお腹の張りなら問題ないのですが、規則的にお腹が張り続け、10分間隔より短くなると陣痛へと変わってしまうので要注意です。
性器出血 出産前に出血することを一般的に「おしるし」と言いますが、出産時期ではないのにそれと似た症状が出ると「切迫早産」と判断されます。お腹が張ると出血することがあります。
子宮頸管が短くなる お腹が張る(陣痛のように子宮が収縮する)と子宮頸管は段々短くなります。子宮頸管が短くなると、子宮を支える力が弱くなり出産につながります。
子宮口が開く お腹の張りは無くても子宮口は開いている人もいれば、お腹の張りが強くても子宮口はしっかり閉じている人もいます。
破水 破水は体が出産の体勢に入っていると考えられます。破水してしまうと羊水に雑菌が侵入しやすく、例外を除いて長期的に早産を避けることはできなくなります。数日のうちには出産につながるケースが多いです。
下腹部痛

お腹が痛いということは、自覚はなくても子宮の収縮(お腹の張り)がおこっているとも考えられ、要注意です。                                                    

○13週~22週未満の切迫流産について

妊娠12週~22週未満に起こる流産を「後期流産」といいます。
早期流産が胎児の染色体異常が主な原因な半面、後期流産の場合は母体側の原因が主となります。子宮筋腫や子宮奇形、膠原病などの自己免疫疾患、などが原因となり、子宮頚管無力症のケースも多いとされています。
症状としては、子宮の収縮(お腹の張り)や子宮口が開いてくる、出血や下腹部痛など、「出産・分娩」に似た症状が上げられます。

この時期の治療は、安静と必要ならお薬の処方です。
感染が認められるようなら抗生剤の投与や膣洗浄などを行い、子宮の収縮(お腹の張り)が認められれば塩酸リトドリン(ズファジランなど)を処方されます。
子宮頸管無力症と分かっている場合には頸管縫合手術をすることもありますが、初めての妊娠でこの時期に無力症だと判断されるケースは極まれで、この手術ができるのは以前の妊娠で子宮頸管無力症と診察された方がほとんどです。

原因はどうあれ、今ママができるのは、しっかり安静を保って医師の指示に従うこと しかありません。

○切迫流産の治療法

切迫流産に限らず、切迫早産その他妊娠トラブルの治療法は、スバリ「安静」です。
どんな原因であろうと、安静にしなくてもいい妊娠トラブルはありません。
症状に応じてお薬も出されますが、「安静が第一の治療薬」であることには変わりなく、横になって安静にしていることで、出血が治まったり、お腹の張りが治まったり症状が軽快することが多いんです。
もちろん、原因によっては、子宮口縫合手術など外科的な処置を施す場合もあります。

この医療の進んだ時代に「それしかないんかい!」と私もよく思ったものですが、本当に「安静」プラス「薬」で様子を見るしかないのが実情のようです。
私の主治医はよく「切迫流産・切迫早産は何をどうすればどこが治るっていうものじゃない。」と言っていました。
そして、「切迫流産・切迫早産の治療は、赤ちゃんを元気で産もうという強い意志をもって、根気良く寝てるしかない」とも言っていました。

その「寝ているだけ」ってのが一番辛いんですけどね。

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